- #医師コラム
人生100 年時代は 「口腔の健康」こそ最大の財産
口腔の健康について、Dr. 片山修のEM 健康アドバイスいただきました。
長寿の人生の願い
日本人の平均寿命は、厚生労働省の「令和2年簡易生命表」によると女性は世界1位の87・74 歳、男性は世界2位の81・64歳となり、世界で一番の長寿です。100歳以上の高齢者が初めて8万人を突破(内、88・4% が女性)し、「人生100年時代」を迎えています。寿命が延びる中、単に長生きするだけでなく、いかに健康的に自立して生活し、また人生の大きな楽しみの一つである「一生自分の歯で美味しく物を食べること」を誰もが願っています。
口腔内環境と口腔内フローラ
ところで、お口の健康が全身の健康を大きく左右することをご存じでしょうか?
お口は、生きていくために必要な食べ物をよく噛んで飲み込むといった身体に栄養を届ける玄関口であり、この口腔内環境が悪化するとその機能が果たせなくなります。口腔内環境の悪化の原因は、お口の二大疾患と言われる「虫歯」と「歯周病」です。
年齢と共に様々な口腔内トラブルにより歯を失うことで口腔内の機能が低下し、2型糖尿病、脳・血管疾患、各種がん、認知症、誤嚥性肺炎といった全身疾患を引き起こすことが、多くの研究から明らかになっています。「人生100年時代」を健康に過ごすためにも、口腔内環境の健康管理が大切です。
お口の中には300〜700種類、1,000億以上の細菌が歯や歯肉、粘膜や舌などの組織に生息しています。この口腔内の細菌など微生物の集まり(細菌叢)を口腔内フローラと言います。
お口の中の汚れや細菌は、歯磨きや唾液の持つ自浄作用によって洗い流されます。よく噛めなかったり加齢によって唾液の分泌量が減少して、口腔内フローラのバランスが崩れると、口臭、虫歯、歯周病の原因となります。
お口は、生きていくために必要な食べ物をよく噛んで飲み込むといった身体に栄養を届ける玄関口であり、この口腔内環境が悪化するとその機能が果たせなくなります。口腔内環境の悪化の原因は、お口の二大疾患と言われる「虫歯」と「歯周病」です。
年齢と共に様々な口腔内トラブルにより歯を失うことで口腔内の機能が低下し、2型糖尿病、脳・血管疾患、各種がん、認知症、誤嚥性肺炎といった全身疾患を引き起こすことが、多くの研究から明らかになっています。「人生100年時代」を健康に過ごすためにも、口腔内環境の健康管理が大切です。
お口の中には300〜700種類、1,000億以上の細菌が歯や歯肉、粘膜や舌などの組織に生息しています。この口腔内の細菌など微生物の集まり(細菌叢)を口腔内フローラと言います。
お口の中の汚れや細菌は、歯磨きや唾液の持つ自浄作用によって洗い流されます。よく噛めなかったり加齢によって唾液の分泌量が減少して、口腔内フローラのバランスが崩れると、口臭、虫歯、歯周病の原因となります。
口腔のことを知る
歯周病は「日本人の国民病」と呼ばれ、成人の約8割の人が発症していると言われています。特に代後半からは、虫歯より歯周病で歯を失う割合が高くなり、原因の1位となっています。歯周病は初期段階である「歯肉炎」から徐々に始まり、「歯周炎」「歯周病」と重症化していきます。
では、歯周病の恐いところは何でしょうか?虫歯は冷温痛やズキズキした痛みなどの自覚症状があるのに対して、歯周病は「自覚症状に乏しい病気」です。軽度では、歯茎の腫れや出血が認められることがありますが、痛みなどの強い症状は現れないので自覚することが難しく、ついつい口腔ケアがおろそかになり、気付く頃には重症化してしまいます。
歯周病は細菌感染症の一種であり、進行すると歯周病菌が血液を介して各臓器に運ばれ、全身に悪影響を及ぼすことになります。
また、歯ぎしり、歯並びや嚙み合わせが悪くなると、身体のバランスが崩れます。その影響で首や肩の筋肉に負担がかかり、身体が過緊張となり血流が悪くなるため、頭痛や肩こり、腰痛の原因となったり、免疫力の低下にもつながり、歯周病の因子になります。
歯周病予防は毎日の丁寧な歯磨きが基本になりますが、お口の中の細菌はバイオフィルムという薄い粘膜を作って歯に張り付きます。
バイオフィルムはネバネバしていて、お風呂の湯あかの様にただこすった程度では取れませんし、薬も届かない厄介な細菌の塊なのです。きれいに磨いていると思っても、必ず磨き残しの部位があり、舌で触れてみるとザラザラしますが、これを放置することで、虫歯や歯周病が進行していきます。
バイオフィルムを除去するために、ついつい歯ブラシを強く握ってごしごし磨きがちですが、これでは歯肉を傷つけたり、歯茎をすり減らして冷温痛の原因になります。歯ブラシを軽く持って(鉛筆の持ち方)やさしい力で磨いてください。
では、歯周病の恐いところは何でしょうか?虫歯は冷温痛やズキズキした痛みなどの自覚症状があるのに対して、歯周病は「自覚症状に乏しい病気」です。軽度では、歯茎の腫れや出血が認められることがありますが、痛みなどの強い症状は現れないので自覚することが難しく、ついつい口腔ケアがおろそかになり、気付く頃には重症化してしまいます。
歯周病は細菌感染症の一種であり、進行すると歯周病菌が血液を介して各臓器に運ばれ、全身に悪影響を及ぼすことになります。
また、歯ぎしり、歯並びや嚙み合わせが悪くなると、身体のバランスが崩れます。その影響で首や肩の筋肉に負担がかかり、身体が過緊張となり血流が悪くなるため、頭痛や肩こり、腰痛の原因となったり、免疫力の低下にもつながり、歯周病の因子になります。
歯周病予防は毎日の丁寧な歯磨きが基本になりますが、お口の中の細菌はバイオフィルムという薄い粘膜を作って歯に張り付きます。
バイオフィルムはネバネバしていて、お風呂の湯あかの様にただこすった程度では取れませんし、薬も届かない厄介な細菌の塊なのです。きれいに磨いていると思っても、必ず磨き残しの部位があり、舌で触れてみるとザラザラしますが、これを放置することで、虫歯や歯周病が進行していきます。
バイオフィルムを除去するために、ついつい歯ブラシを強く握ってごしごし磨きがちですが、これでは歯肉を傷つけたり、歯茎をすり減らして冷温痛の原因になります。歯ブラシを軽く持って(鉛筆の持ち方)やさしい力で磨いてください。
口腔環境を維持するには?
1. はみがき粉を選ぼう
しっかり磨くことが大切です。
できるだけ薬剤不使用のはみがき粉を使って、歯磨きがおろそかにならないようにしましょう。
2. 補助器具(歯間ブラシ、フロスなど)を活用しよう
3. 歯はやさしい力で磨こう
1か所を20回以上、歯並びに合わせて歯磨きをしましょう。
<歯磨きの3つのポイント>
1. 歯ブラシの毛先を歯面にあてる。
2. 歯ブラシを軽く持つ。
3. 歯ブラシを小刻みに動かす。
4. 定期健診を心がけよう
8020運動を達成して、いつまでも美味しく食べ続けるためにも定期的な検診を受けましょう。
※1989年(平成元年)に厚生省(現・厚生労働省)と日本歯科医師会提唱。「80歳になっても歯が20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
1. はみがき粉を選ぼう
しっかり磨くことが大切です。
できるだけ薬剤不使用のはみがき粉を使って、歯磨きがおろそかにならないようにしましょう。
2. 補助器具(歯間ブラシ、フロスなど)を活用しよう
3. 歯はやさしい力で磨こう
1か所を20回以上、歯並びに合わせて歯磨きをしましょう。
<歯磨きの3つのポイント>
1. 歯ブラシの毛先を歯面にあてる。
2. 歯ブラシを軽く持つ。
3. 歯ブラシを小刻みに動かす。
4. 定期健診を心がけよう
8020運動を達成して、いつまでも美味しく食べ続けるためにも定期的な検診を受けましょう。
※1989年(平成元年)に厚生省(現・厚生労働省)と日本歯科医師会提唱。「80歳になっても歯が20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
知ること行動することが大切
正しく磨けているかトラブルはないかと、定期的にチェックすることが口腔内環境を健康に維持する秘訣です。当院では 70歳以上の患者さんの多くが毎月お口の清掃や身体のバランスの確認にお越しになり、お口の健康を維持されています。
日本では口腔内のメンテナンスを受ける習慣がまだまだ定着していませんが、潤いのある「人生100年時代」を過ごすためにも、定期健診を心掛けて、口腔内環境を見直してみてください。
日本では口腔内のメンテナンスを受ける習慣がまだまだ定着していませんが、潤いのある「人生100年時代」を過ごすためにも、定期健診を心掛けて、口腔内環境を見直してみてください。
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