- #EMコラム
“葉の表面で、元気に働く微生物たち”の巻
自然界そして私たちの食を支える植物たち、その生長に微生物は大きな役割を果たしています。「葉」と微生物はどんな関係なのでしょうか。
人間と同じように葉にはたくさんの微生物が!
人間の体の表皮には「常在菌」という微生物たちが無数に存在しています。微生物は体から出る汗や皮脂などを栄養にして皮膚にすみついているとともに、悪い菌から守ってくれるバリアの働きもしています。
実は、植物に生い茂る葉も、私たちの皮膚と同じようなもの。葉の表面には一見なにもなさそうに見えますが、1センチ四方にはなんと微生物が10~20万個もいると言われています。 微生物たちが、葉から分泌される糖分や有機物、古くなった組織がはがれたものなどを分解してくれるので、葉の表面はいつもツヤツヤできれいに保たれるのです。
葉は、植物の命を支える「光合成」に欠かせない部位
植物が生きていくために必要な養分は、根から吸収されるのと同時に、葉でも作られています。みなさんもご存じのように、太陽の光と空気中の二酸化炭素、そして根から吸い上げた水を使って炭水化物などの有機物をつくり、酸素を放出する「光合成」です。
一方、植物も、人間と同じように、酸素をすって、二酸化炭素をだしています(呼吸)。その時に暑さや寒さなどの過剰なストレスを受けると、余分な活性酸素が発生し、元気がなくなってしまいます。
光合成や呼吸のことを「代謝」といい、この代謝が効率よく行えるかどうかがポイントになってくるのです。その「代謝」の働きを手助けするのに、微生物は大きな役割を果たしているといえます。
EM菌の葉面散布で微生物も植物自体もいきいき
EMを植物の葉に散布すると、葉に存在している微生物叢【=相】(そう)が善玉優位の環境になってきます。放線菌のような好気性の有用な微生物が多くなり、植物を元気にさせます。
植物にとっての善玉菌が増えることで、植物が行う代謝を手助けし、高温・低温環境でも代謝効率が上がります。また、緑の植物は可視光線しか利用できませんが、光合成細菌は可視光線以外もエネルギーに転換できます。つまり、光合成細菌が主体となるEMを散布することで、紫外線の害を防ぎながら、太陽エネルギーを最大限に活用することができるのです。
EMを生育に利用することで、植物は葉先がピン!と上向きになり、健康的になっていきます。土にも葉にも、手軽に使えるEM。農業やガーデニングだけでなく、観葉植物などにもぜひおススメです。
※EM(通称:EM菌*)はEffective(有用な)Microorganisms(微生物たち)の英文の頭文字に由来しています。その名の通り、特殊なひとつの菌ではなく、乳酸菌や酵母、光合成細菌など、どこにでもいる微生物で、人間にとっていい働きをしてくれる微生物の集まりです。
「EM菌」という菌は存在せず、EM中の微生物の集合体の総称として広く使われています。