- #メーカー特集
地域を醸すEMボカシ『発酵職人の部屋』
福岡県福岡市博多区に所在するいわお園は、周囲が豊かな自然に恵まれている福祉施設です。平成3年にスタートして平成7年には法人認可を受けて開園しました。利用者の方々にとって収入を得られる事業活動の一つとしてEMボカシを作って販売しています。
作り手と売り手と買い手が、みんな幸せになったEMボカシ
福岡県福岡市博多区に所在するいわお園は、周囲が豊かな自然に恵まれている福祉施設です。平成3年にスタートして平成7年には法人認可を受けて開園しました。施設には利用者の方々が暮らす宿舎があり、個室や2人部屋もあってお互いに助け合いながら生活しています。利用者の意向を尊重して様々な福祉サービスを行うことで、自立した生活を営むことができるように支援事業を行っているいわお園は、たくさんの野菜を育てたり野外調理や歌をうたうなどの共同活動と、利用者の方々にとって収入を得られる事業活動として、キーホルダーやお菓子箱の組立てなどの作業も行っています。その事業活動の一つとしてEMボカシを作って販売しています。
いわお園でのEMボカシ作りは、約25年前に良質なEMボカシを作ってくれるところを探していた、福岡市内で自然食品やEM商品の販売店を経営する森美智代さんと、第一いわお園施設長の郡嶋智恵子さんが出会ったことがきっかけでした。当初、施設利用者の皆さんにEMボカシ作りをしてもらったところ、作り方や品質が統一しないなどの課題があり、作業をする方がボカシのニオイや米ヌカを触るのが苦手など、長続きしませんでした。そんな中、唯一残ったのが仲村宗幸さん。自閉症の仲村さんは自分の中でルールを決めると、曲げることなくしっかり行う方です。作り方なども一度覚えると一切変えることがなく正確に作るため、出来上がるEMボカシはとても良質なものばかりです。
森さんは作っているのが障害を持っている方だからといってEMボカシの品質に一切の妥協をすることがなく、商品として不適切な場合は「作るなら自信をもって勧められる物でないと!」と送り返して、ダメなところや作り方をしっかり伝えて改善を依頼します。この森さんの姿勢と、仲村さんの個性、郡嶋さんの品質改善の努力と社会貢献への想いが運命の出会いとなりました。
森さんは作っているのが障害を持っている方だからといってEMボカシの品質に一切の妥協をすることがなく、商品として不適切な場合は「作るなら自信をもって勧められる物でないと!」と送り返して、ダメなところや作り方をしっかり伝えて改善を依頼します。この森さんの姿勢と、仲村さんの個性、郡嶋さんの品質改善の努力と社会貢献への想いが運命の出会いとなりました。
EMボカシ作りを始める前の仲村さんは精神的に不安定な事が多かったと言います。郡嶋さんはそんな仲村さんにEMボカシ作りを試してもらうことを決意。すると、EMボカシ作りを行うことで精神的にとても落ち着くようになり、普段の生活でも常に笑顔で落ち着いて過ごせるようになりました。それからの約25年間、仲村さんは一人でいわお園のEMボカシを作り続けてきました。出来上がったEMボカシは、福岡市内の自然食品店などを中心に出荷されていて、とても品質が良いと、多くの方に愛用されています。EMボカシの出荷先のお米農家さんでは田んぼに入れる肥料として「このEMボカシでないとダメなんだ!」と、時期に合わせて大量にご購入されます。
「ただ、シーラーでの袋とじが苦手なのよね。(笑)」と郡嶋さん。EMボカシ作りが大好きな仲村さんはご自身の作業に他の人が入ることを嫌がり、特に郡嶋さんは作業部屋にいるだけで気になって仕方ありません。そんな仲村さんも苦手な作業はあります。そんな時は、郡嶋さんが時間を遅らせてそっとお手伝い。郡嶋さんの仲村さんへの配慮から、お二人の温かい繋がりを感じました。
楽しいEMボカシ作りにも事件はあります。それは自然環境です。EMボカシをブルーシートの上へ広げて乾燥させる時、乾燥中にスズメやカラスに食べられてしまったり、突然の雨に降られることもあります。そんな時も郡嶋さんが気を利かせて(勝手に)手を出すと怒られてしまうので、郡嶋さんは仲村さんの背後に回って「あれれ?雨が降りそうだなぁ。大丈夫かなぁ?」と呟きます。そうすることで、仲村さんの作業を狂わすこともなく、仲村さんが自ら気付いて対処されます。
仕込んだEMボカシを熟成させる際に発砲スチロールに入れていますが、繰り返し使う事でだんだんと底が薄くなります。しかし完全に穴が空いてしまわないと仲村さんは絶対に捨てようとしません。郡嶋さんは「もうダメかなぁ」と思う発砲スチロールを見つけると、こそっと穴を開けて仲村さんに見せます。「もう捨てないとダメだなぁ」と納得してもらってから捨てます。この様なほんのささいな事に思える変化であっても、仲村さんに納得してもらうように気を配っていて、毎日が戦いだと郡嶋さんはお話しされます。
現在、仲村さんが作るEMボカシは1日あたり米ヌカで40~60㎏分。月曜から金曜までの平日は毎日4時間作り続けます。Ⅰ型とⅡ型のEMボカシを作るので、郡嶋さんからのスケジュールの指示をもらうと、日々のスケジュールをしっかり聞き取って自分自身で管理しています。4件以上になる場合は郡嶋さんからのメモをもらって、その通りに時間管理をして作業します。
「ただ、シーラーでの袋とじが苦手なのよね。(笑)」と郡嶋さん。EMボカシ作りが大好きな仲村さんはご自身の作業に他の人が入ることを嫌がり、特に郡嶋さんは作業部屋にいるだけで気になって仕方ありません。そんな仲村さんも苦手な作業はあります。そんな時は、郡嶋さんが時間を遅らせてそっとお手伝い。郡嶋さんの仲村さんへの配慮から、お二人の温かい繋がりを感じました。
楽しいEMボカシ作りにも事件はあります。それは自然環境です。EMボカシをブルーシートの上へ広げて乾燥させる時、乾燥中にスズメやカラスに食べられてしまったり、突然の雨に降られることもあります。そんな時も郡嶋さんが気を利かせて(勝手に)手を出すと怒られてしまうので、郡嶋さんは仲村さんの背後に回って「あれれ?雨が降りそうだなぁ。大丈夫かなぁ?」と呟きます。そうすることで、仲村さんの作業を狂わすこともなく、仲村さんが自ら気付いて対処されます。
仕込んだEMボカシを熟成させる際に発砲スチロールに入れていますが、繰り返し使う事でだんだんと底が薄くなります。しかし完全に穴が空いてしまわないと仲村さんは絶対に捨てようとしません。郡嶋さんは「もうダメかなぁ」と思う発砲スチロールを見つけると、こそっと穴を開けて仲村さんに見せます。「もう捨てないとダメだなぁ」と納得してもらってから捨てます。この様なほんのささいな事に思える変化であっても、仲村さんに納得してもらうように気を配っていて、毎日が戦いだと郡嶋さんはお話しされます。
現在、仲村さんが作るEMボカシは1日あたり米ヌカで40~60㎏分。月曜から金曜までの平日は毎日4時間作り続けます。Ⅰ型とⅡ型のEMボカシを作るので、郡嶋さんからのスケジュールの指示をもらうと、日々のスケジュールをしっかり聞き取って自分自身で管理しています。4件以上になる場合は郡嶋さんからのメモをもらって、その通りに時間管理をして作業します。
いわお園の事業活動の中で、社会貢献と言える唯一の事業だからと、郡嶋さんはEMボカシ作りの仕事を大切に考えています。今後もいわお園として継続したい事業であり、またその仕事は25年以上のベテランEMボカシ職人の仲村さんにとって個性が活かせる場でもあります。それを支える郡嶋さんの愛情と共に、これからも仲村さんの作る最高品質のEMボカシがたくさんの人の喜びを生み出して行きます。
取材日:2017年5月10日(W)
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